
ヨガを続けているのに、「ポーズがしっくりこない」「完成ポーズには程遠い」「なんとなく体がつらい」と感じたことはありませんか。ヨガ初心者の方はもちろん、少し慣れた頃でもこうした違和感に悩む人は少なくありません。
ヨガがうまくいかない理由は、体が硬いからでも、運動が苦手だからでもありません。多くの場合、体の使いかたが少し違っているだけです。
ヨガのポーズはたくさんありますが、ポーズを分解すると、基本的な動きの組み合わせであることがわかります。初心者が知っておきたい体の動かしかたと、ポーズがうまくいかない原因をここで整理しましょう。
なぜこのポーズが苦手なのか、また、どこでつまずいているのかがわかると、意識するポイントや練習のしかたが自然と見えてきます。
できないと悩んでいる人へ。この記事を読んで体の使いかたを確認してみてくださいね。
ヨガのポーズがうまくできないとき、体が硬いことよりも、ポーズのとりかたの解釈が違っていることが多いです。ヨガのポーズは、おもに基本の動作とポーズの形式(基礎)の組み合わせでできています。
- 前屈(上体を前にたおす)
- ねじり(上体をねじる)
- 側屈(上体を横にたおす)
- 後屈(上体を反らす)
- 立位の基礎(立位のポーズでの足腰の型)
- バランスポーズ(片足バランス、アームバランス)
ポーズができないとき、ポーズの良さが感じられないとき、何か違ったことをしています。ケガの原因も、同様の理由から生じているかもしれません。
では、悩みが多い順に、それぞれのポイントを確認しましょう。

前屈のポーズで、うまくいかないと感じる人は多いのではないでしょうか。体が硬いからできないと思われがちですが、前屈が苦手な理由はひとつではありません。
前屈がうまくいかないとき、体にはいくつかの「サイン」があらわれます。
● 手が床に届かない、指先がつかない
● 背中や腰が丸まってしまう
● 太ももの裏やお尻がつっぱって苦しい
なぜ起こる?
前屈は、腰を丸めてたおすのではなく、股関節を曲げて前屈します。そのとき、太もも・お尻など、複数の部位が同時に関わります。
そのため、
股関節から動かすことができない
太ももやお尻の柔軟性がなく、つっぱりを感じる
といった理由で、前屈が苦手に感じやすくなります。股関節から曲げること自体が、すぐにできない人も少なくありません。
● 無理に深くたおそうとせず、気持ちよくお尻や太ももが伸びているところまでにする
● つっぱりが強い場合は、段階的に体を慣らすようにする
● 前屈は一度で無理に深めようとしないこと
前屈は、ご自分のペースに合わせて少しずつ変えていくポーズです。できないと感じるときほど、焦らずに体を前にたおす角度を見直していきましょう。
「手が床に届かない」「背中が丸まる」を解消!前屈が劇的に深まる3つのステップはこちら

立位のポーズは、「脚を開いてポーズをとるだけ」と思われがちですが、実際は、足・ひざ・骨盤・体幹が同時に関わり、つまずきやすい要素がいくつかあります。
立位のポーズがうまくいかないとき、体は、こんな「サイン」を出しています。まずは、よくある悩みを確認してみましょう。
● 脚がプルプルして長く保てない
● ひざに違和感や痛みが出る
● 足の位置や足幅が正解かわからない
● 踏ん張っているのに安定しない
なぜ起こりやすい?
立位のポーズでは、足元の安定がとても重要です。足の置き方や重心が合っていないと、その影響が股関節やひざ、腰までつたわりやすくなります。
特に、
ひざとつま先の向きがそろっていない
足幅が自分に合っていない
体幹が抜けて、脚だけで支えている
といったケースです。これらは、ポーズが安定しにくいだけでなく、ケガにつながることもあります。
● ひざとつま先の向きをそろえ、足元の土台を整える
● 踏み込む前に、立つ位置・足幅を確認する
● 無理に力を入れず、体の中心から支える意識を持つ
立位のポーズは、「踏ん張る」よりも「整える」ことが大切です。安定しないと感じるときほど、足元から見直してみましょう。
「足元がグラつく」「膝が痛い」原因はこれだった!土台を安定させて力強くキープする方法はこちら

ねじりのポーズは、「ちゃんとできているのか分からない」と感じる人が多く、また、無理に深めて、呼吸の苦しさや腰に違和感が出やすい動きでもあります。
ねじっているときも、体はさまざまな「サイン」を出しています。
● 思ったほどねじれない
● 呼吸が苦しくなり、止まりやすい
● ねじると腰や背中、肩が痛く感じる、違和感が出る
● 片側だけやりにくく、左右差を強く感じる
なぜ起こる?
ねじりのポーズでは、背骨を軸にして、上体を左右に回すことが基本です。
しかし実際には、
背中が丸まったままでおこなっている
片側だけでねじろうとしている
胸から上だけで動かしている
といった状態になりやすく、背骨を軸にまわすことができず、腰や肩に負担が集中しやすくなります。
また、ねじりは左右差が出やすいため、無意識でする体のくせや日常動作の影響がそのままポーズに表れやすいのも特徴です。
● ねじる前に、背筋を長く保つ
● 骨盤は安定させて、ウエストから動く意識を持つ
● 呼吸が苦しくなる手前で、ねじりの深さを調整する
ねじりのポーズは、深さよりも「ねじる順序」が大切です。うまくいかないと感じるときほど、無理にせず、姿勢と呼吸から見直してみましょう。
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側屈のポーズは、「横にたおすだけ」と思っていませんか?正しく側屈ができると、体側や脇、肩の側面が気持ち良く伸ばせます。
一方で、うまくできないときは、体のたおしかたにズレが出ていることが少なくありません。
● どこが伸びているのか分からない
● 横に倒したつもりが、体が前に傾いてしまう
● 肩がすくんで首がつらくなる
なぜ起こりやすい?
側屈では、上体を真横に倒しながら、反対側で体を支えることが基本です。しかし、たおす方向や角度が合っていないと、伸びを感じにくくなります。
例えば、
体が前後に傾いたままおこなっている
上体をたおす角度が浅すぎる
腕で引っ張って動きを作っている
といった状態では、伸びが感じられにくく、腰や首に違和感が出やすくなります。また、側屈も左右差や姿勢のくせが出やすいポーズです。
● 横にたおす前に、姿勢を整える(背中を長く保つ)
● たおしすぎてポーズが不安定にならないよう、角度を調節する
● たおしている側の上体で、しっかり支える
側屈のポーズは、深くたおすことよりも、気持ち良く伸びている感覚が大切です。伸びを感じにくいときほど、倒す角度や姿勢を見直してみましょう。
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後屈のポーズは、「反るのが怖い」「苦しい」「腰がつらい」と感じる人が多いと思います。前屈や側屈と違い、日常生活ではあまりしない動きのため、戸惑いや不安が出やすいのも特徴です。
後屈がうまくいかないときも、体はさまざまな「サイン」を出しています。
● 腰が詰まる感じがして苦しい
● 反ると首がつらくなる
● 後屈をすると、気持ち悪くなる
● 体を後ろに反らすのが怖い
なぜ起こる?
後屈は、腰だけで反ろうせずに、胸を開くことがとても重要です。
しかし実際には、
腰で反ろうとしている
胸を開く動きができない
下腹や脚の支えが抜けたまま反っている
といった状態になりやすく、反るときの負荷が分散されず、腰に集中しやすくなります。
また、後屈は視線や頭の位置が変わるため、血流の変化でふらつく人もいます。これは珍しいことではなく、体が変化に反応しているサインの一つです。
● 腰だけで反らず、胸を開く意識をもつ
● 下腹や脚で体を支えて、ポーズを安定させる
● 背中を長く保ちながら反らして、反り過ぎを防ぐ
● 呼吸が苦しくなる手前でポーズをキープする
後屈のポーズは、深く反ることよりも、安心して呼吸ができているかが大切です。怖さや違和感があるときほど、無理をせず、反る角度を見直してみましょう。
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バランスポーズは、「グラグラして立てない」「集中できない」と感じやすいポーズです。意識することが多く、難しく感じやすいのも特徴です。
バランスがうまく取れないとき、体ははっきりとした「サイン」を出しています。
● 片足になるとすぐにグラつく
● 軸足の足首がグラグラする
● 上げた足が安定せず、落ちてしまう
● アームバランスが全くできる気がしない
● 呼吸が止まりやすい
なぜ起こりやすい?
バランスポーズは、足元の安定・腕力・体幹の強さ・視線・呼吸が同時に関わります。
しかし実際には、
足裏に体重がうまく乗っていない
体の中心が定まらず、足の外側や腕だけで支えようとしている
力みやすく、呼吸が止まってしまう
周囲の音や刺激で、気が抜けてしまう
といった状態になりやすく、体を「止めよう」とするほど、バランスが崩れやすくなります。
また、バランスポーズはその日の体調や気分の影響を受けやすい動きです。昨日できたポーズが、今日はうまくいかない、ということも珍しくありません。
● 足裏全体で床をとらえ、体重のかかり方を感じる
● 体の中心を意識し、力で止めようとしない
● 視線を一点に定め、呼吸を止めない
バランスポーズは、安定=動かないことではありません。小さな揺れを感じながら、呼吸とともに整えていく動きです。
うまくいかないときほど、足元・視線・呼吸をひとつずつ確認してみましょう。
「すぐにグラつく」のは筋力のせいじゃない?視線と重心を使い、止まっているのが楽になる秘訣はこちら。

ヨガのポーズがうまくいかないとき、「体が硬い」「筋力が足りない」と思われがちですが、呼吸が止まっていることが原因になっているケースも少なくありません。
これまで解説した、前屈・立位・ねじり・側屈・後屈・バランスポーズのすべてにおいて、呼吸は深く関わっています。
ポーズ中、こんなことはありませんか?
気づいたら息を止めている
ポーズを保つことに必死で、呼吸を忘れている
苦しくなってから、慌てて息をする
このような状態では、体に余計な力が入り、本来使いたい筋肉や関節を動かしづらくしています。
一方で呼吸が続いていると、
体の余分な力が抜ける
動きの幅が自然に広がる
ポーズ中の安心感が増す
といった変化が起こります。ポーズ中に意識したい呼吸のポイントは3つ。以下のことを意識してみてください。
- 息を止めないこと
- 苦しくなる前に、動きの深さを調整すること
- 吸う・吐くのリズムを感じ続けること
呼吸が乱れたと感じたら、「ポーズが浅くなってもいい」と捉えて構いません。呼吸を続けることがヨガでは大切です。
今の体の状態に気づくためのバロメータとして、
呼吸が止まる、浅い → 無理をしている、力が入りすぎている
そう捉えると、呼吸で自分のポーズに対する加減を知ることができますね。
「ポーズの深まり」は呼吸で決まる!体が硬い人ほど知っておきたい、余計な力を抜くための呼吸法はこちら

ヨガのポーズがうまくできないと感じるとき、「自分の体が硬いから」「センスがないから」と思ってしまいがちです。でも、多くの場合は体の使いかたや基礎の捉え方が少し違っているだけです。
・前屈
・立位の基礎
・ねじり
・側屈
・後屈
・バランスポーズ
これらは、それぞれ別の動きですが、すべてポーズを完成させる上でかかせません。
ポーズができないとき、痛みや違和感が出るとき、呼吸が苦しくなるときは、「失敗」ではなく、体からのサインかもしれません。
無理にポーズを完成させようとせず、どの動きでつまずいているのか、どこで力が入りすぎているのかをひとつずつ見直してみてください。
ヨガはできる、できないを競うものではなく、今の自分の状態に気づき、整えていくための時間です。
もし、また迷ったときは、基礎から確認してみてください。あなたのヨガが、少し楽に、心地よくなるヒントになれば嬉しいです。


