
ヨガマットは必要だけど、何を買えばいいか分からない。どれも同じだと思っていたら、厚み、素材、価格もバラバラで、ネットで調べれば調べるほど分からなくなるばかり。
そんなヨガマット選びでありがちなモヤモヤを整理し、ご自身のタイプが理解できるようお手伝いします。 これを読めば、「今の自分にはこれが合っている」「次はこれを試したい」というように、ヨガマット選びに迷いがなくなるはずです。
ヨガマットは、「素材」「厚さ」「サイズ」「重さ」など、それぞれの特徴があります。どれも同じだから、好きなものを買えばいい。そう思っていると、自分の好みに合わないものを買ってしまいがちです。
かといって、特徴を一つずつ調べたら、ますますわからなくなり、結局どれがいいの?になってしまう。ここでは、マットの特徴を一つずつ整理して見ていきましょう。

ヨガマットにはさまざまな素材が使われており、それぞれ特性が異なります。代表的な素材とその違いを表にまとめました。
素材 | 正式名称 | 特徴 | 適した用途 | 注意点 |
PVC | ポリ塩化ビニル | 安価・ カラー豊富・ やや重め | お試し コスパ重視 | 汗で滑りやすい 劣化しやすい |
TPE | 熱可塑性エラストマー | 軽量・においが少ない・ 水洗いができる・ グリップ力がある | 初心者向け 扱いやすい素材 | 傷がつきやすい |
天然ゴム | ナチュラルラバー | グリップ力が強い・ ずっしり重め | 安定感が欲しい 中上級者向き | ゴムアレルギー/においは強め 水洗い不可/高価 |
EVA | エチレン酢酸ビニル | 超軽量・水に強い・ 柔らかい素材 | 持ち運び 筋トレ兼用 | 傷がつきやすい グリップやや弱い |
NBR | ニトリルゴム | 柔らかく分厚い・ 衝撃吸収性に優れている | 関節を守りたい人 硬い床用に | 滑りやすい 動きの多いヨガには不向き |
コルク | 圧縮コルク材 | 抗菌・断熱・ においが少ない・ 自然素材 | 敷きっぱなしでもOK おしゃれに使いたい人 | 湿気や水洗いにやや弱い 丸められるが厚手だと硬めになる |
畳 (い草) | 天然素材 | 吸湿・消臭・ リラックス感 | 和室や自然派 タイプ | 跡がつきやすい 柔らかくへたりやすい |
厚さによってマットの使い心地は大きく変わります。クッション性や安定感に影響する要素なので、ぜひ確認しておきましょう。
- 3mm未満:超薄型のトラベルマット。軽量で外ヨガや旅行用。
→ クッション性はごくわずか。 - 3~5mm:標準的な厚さ。薄手タイプの中では比較的安定感もある。
→ 軽さと安定感のバランスを取りたい人におすすめ。 - 6〜8mm:クッション性を重視したい人向け。ひざや腰の負担を軽減。
→ 初心者に人気の厚さ。 - 8mm~10mm以上:筋トレやストレッチに適した厚手マット。
→ 体が沈みやすい。ヨガのレッスンでは、安定しない、動きづらくなることがある。
同じ厚さでも素材によって重さが変わります。どのくらいの重さなら扱いやすいか、参考にしてください。
また、間違った寸法を買ってしまうことがあります。以下のことに気をつけて選んでください。
ヨガマットの重さ
- 〜1.5kg未満:外出・旅行向け。軽くて、持ち運びやすい。
- 1.5kg前後:重すぎない中間タイプ。自宅と外出を両用が可能。
- 1.5kg以上:自宅でつかうタイプ。
ヨガマットの大きさ
- 縦幅:自分の身長以上にあること
- 横幅:自分の肩幅以上+10cmぐらいあること
最近はあまり見かけませんが、たまに長さが150cmぐらいのストレッチ用のマットがあります。小さいマットは自然と体を動かすことに制限をかけ、ヨガのパフォーマンスが下がる可能性があります。注意してご購入ください。
収納や持ち運びのしやすさは、形状や素材によって違いがあります。ライフスタイルに合わせて使いやすいタイプを選びましょう。
マットの仕様
- 折りたたみ式:旅行用に多く、スーツケースや棚に収納しやすい。最近は厚めのマットもある
- 丸めるタイプ:ほとんどのヨガマットはこのタイプ。軽くて柔らかい素材のものが多い。
- 厚手・硬め素材の場合:巻きにくくかさばるため、多少の収納スペースがいる。
- コルクや畳素材:丸められるものもあるが、厚手だと硬くなりがち。収納性は低め。
仕様の違いがわかってきたら、ご自分の練習スタイルや、ライフスタイルに合わせて、どんなマットがいいかを見つけましょう。細かく比較しなくても大丈夫です。用途と予算を整理すれば、選び方は自然と絞り込むことができます。

どんな場面でヨガをするか、どんな感覚を求めるかで、最適なマットは変わります。予算の目安と一緒に、選び方のヒントを表で整理しました。
用途・ 重視すること | 予算の目安 | 適した素材 | 厚みの目安 | コメント・補足 |
動きが少ない ヨガが中心 (リラックス系) | ¥3,000~ ¥6,000 | TPE/EVA | 6〜8mm | クッション性があり、 ひざや腰の負担が少ない |
ストレッチや 筋トレと兼用 | ¥3,000〜 ¥7,000 | EVA/NBR | 8mm以上 | 柔らかさと厚みで衝撃を吸収 ただし体が沈みやすので 動きの多いヨガにはやや不向き。 |
持ち運びしたい 軽さ重視 | ¥2,000〜 ¥5,000 | TPE/EVA トラベル用 | 1〜4mm | どこでもヨガをしたい人は トラベルマットがおすすめ |
グリップ力で 安定感を重視 | ¥5,000〜 ¥10,000 | 天然ゴム TPE | 4〜6mm | ポーズが安定しやすく滑りにくい フロー系やパワーヨガなどが多い人に。 |
価格を抑えて まずは試したい | ¥2,000〜 ¥3,000 | PVC/EVA | 3〜6mm | 最初の1枚として |
自然素材を試したい 見た目・質感重視 | ¥5,000〜 ¥12,000 | コルク/畳 | 6mm前後 | 敷きっぱなしにもなじみやすく 見た目が心地よい 湿気対策に注意が必要。 |
どのヨガマットにしようか決めかねている人は、まずは「お試し用マット」を持ってみるという考え方です。コスパの良い1枚を買ってみましょう。たとえば、TPE素材で6mm前後・3,000円前後のものは、価格と使い心地のバランスがとれています。
あるいは、敷くとヨガがしたくなるようなデザイン重視のマットでもかまいません。一目惚れしたヨガマットなら気分が上がります。
まずは1枚買って実際に使ってみることが大切です。使っていくうちに、厚み・重さ・素材の感触など、自分に合う条件が自然と見えてきます。
最初の1枚で完璧を目指さず、「まずは1枚買ってみる!」という気持ちで気楽に選んでくださいね。

ヨガマットに関するちょっとした疑問、また、使っているうちに小さい悩みが出てきます。ここでは、ヨガマットに関するよくある質問とその答えをまとめました。迷ったときに参考にしてください。
Q1. 初心者は何mmのヨガマットを選べばいい?
A. クッション性と安定性のバランスが取れた「6mm~7mm前後」が向いています。薄すぎると床の硬さを感じやすく、厚すぎると体が沈み込んだり、摩擦でかかとや足先が突っかかったり、ひざがすれることがあります。
Q2. 高いマットを買った方がいい?どのくらい長く使える?
A. 続けられるかわからないうちは、まずはコスパ重視で1枚試すのが得策です。高いからといって耐久性が高いとは限りません。練習頻度やマットの素材(経年劣化しやすいものもあります)、保管方法によって、耐久度は変わります。
Q3. ブランドは気にしたほうがいい?有名なものがやっぱり良い?
A. 有名ブランド(マンドゥカ、スリア、ヨガワークスなど)は品質の安心感があります。ブランドにこだわりがなければ、TPE素材の2,000〜6,000円台のマットでも十分です。自分の使い方に合うかを基準をおいて選びましょう。
Q4. 買ったマットが滑りやすい!どうすればいい?
A. メーカが使う素材によって滑りやすさが異なります。滑る場合は、バスタオルを敷く、ヨガラグを使う、ヨガソックスを履くといった応急対策が可能です。PVC製マットは安価ですが、汗で滑りやすい傾向があるため注意してください。
Q5. お手入れはどうする?敷きっぱなしでも大丈夫?
A. TPE・EVA・NBR素材のマットは水拭きや、中性洗剤での洗浄が可能です。PVC・天然ゴム素材のマットは乾拭きが推奨されています。衛生面が気になる場合は、専用スプレーでお手入れしましょう。ぬれてしまったら、しっかり拭いて乾かして収納します。
メーカーや素材によって取り扱い方法が異なるため、付属の取扱説明書などでお手入れ方法を確認しておきましょう。
Q6. 古くなったヨガマットの処分や再利用は?
A. ヨガマットの多くはプラスチックやラテックス製です。自治体ごとに定められた分別方法で処分してください。長さに制限がある場合は、ハサミなどで切ってまとめておきましょう。
また、以下ような再利用方法があります。捨てるのにためらう場合は、活用を検討してくださいね。
- ひざ立ち用のクッション(切って使用)
- 肩立ち・ハンドスタンドの補助用マットに
- 丸めて簡易ボルスターに
- 薄手マットの下敷きとしてクッション性アップさせる
- キャンプやレジャーシートの代わりに
- 避難所用のマットレスに

ヨガマットは長く使えて、肌に直接触れるものだからこそ、買うときに慎重になるのは自然なことです。マットの選択要素が多く、さらにデザインや色味も考慮すると、悩んでしまうこともあります。
選ぶ際は、「練習する内容」「予算」、「好み」で絞り込むのがおすすめです。最初の1枚で全て完璧にしようとせず、「試すつもりで選ぶ」くらいの気持ちがちょうどいいもしれません。実際に使ってみないと気づけないことも多いからです。
気になる素材があれば、それをきっかけにヨガが楽しくなるかもしれません。気軽に使い始めるがおすすめです。
なお、比較表などの資料、データには個人の感想も含まれています。実際に購入される際はメーカーの注意事項もしっかりと確認してください。