
自宅でヨガを始めたいと思っても何からしていいか迷っていませんか。「ヨガするスペースがない」「動画についていけない」「ポーズが合っているかわからない」など、自宅ではできないと感じている人も多いと思います。
ここでは、初めての方でも安心して始められるように、自宅ヨガの準備から動画の選び方、続けやすい工夫、そして、ヨガの基本となるレッスン中の呼吸について解説します。
自宅ヨガは、自分のペースで気軽に取り入れることが魅力です。あなたに合った始め方を見つけてみませんか?
自宅でヨガを始めたいと思ったとき、「どこで?」「道具はいる?」「家が狭いけど大丈夫?」といった悩みがよく出てくるものです。
結論から言えば、特別な空間や設備の必要はありません。動けるスペースがあれば、今すぐにでも始められます!

自宅でヨガをするときはこのくらいのスペースがあると快適におこなえます。
- ヨガマット1枚分の長さ
- ヨガマットの上に立ち、両手を広げられるだけの幅
(少し余裕があるほうが良い)
スペースがないときは、椅子を使ったヨガや布団の上でできるあおむけや座ったままでおこなうヨガをしましょう。
ヨガマット
快適に安全にヨガをしたいならヨガマットは必要です。
特に、体を前後、左右に動かすことが多い場合、ヨガマットは滑り止めの役目を果たします。マットがないと滑りやすく、ケガにつながりやすいです。
ヨガマットがないときは、ラグやバスタオルを代用しましょう。体と床の間に摩擦を作り、滑りにくい環境をつくります。
座位のポーズや仰向けのポーズだけであれば、布団やカーペットの上でもかまいません。
ヨガマットについてはこちらで詳しく解説しています。

レッスン中に使うことがあります。例えば、座って前屈をするとき、最初のうちは足先に手が届かないなど、困った状況に出会うかもしれません。
そんなときは、タオルを使って手と足元の距離と補います。具体的には、タオルの両端を結んで輪を作り、その輪を足先に引っ掛け、両手でタオルを持って前屈をします。
その他にもタオルは長さを測ったり、両手、両足を固定する役目もあります。レッスンを始める前にタオルをそばに置いておくと便利です。
こちらもレッスン中につかうことがあります。例えば、立って前屈をしていると手が床に着かないことがあります。
そのときにペットボトルや分厚い本を置き、その上に手をおいて前屈をしましょう。両手でペットボトルをつかんだり、本の上におくことで体が安定し、前屈がしやすくなります。
特にペットボトルは、気軽に水分補給ができる点でおすすめです。できれはミネラルウォーターのペットボトルが良いでしょう。
服装は、動きやすければ何でもOKです。自宅ならヨガウエアを買う必要もありません。裾がめくれにくいTシャツ、締めつけが少ないパンツは快適に練習できると思います。
上体をたおすときやダウンドックのポーズで、服が顔にかかって邪魔にならなければ、パジャマ姿でもOKです。
締め付けが多い服装は動きを妨げるため注意しましょう。まずは、練習前に軽い準備運動をしながら、動きやすさをチェックするといいですよ。
ヨガは呼吸をすることに重要視しているため、空気の入れ替えをしておくことをおすすめします。
新鮮な空気のなかでするヨガは気持ちのよいものです。外ヨガが気持ちよく感じるのは、部屋より空気が新鮮だから。部屋の空気を少し意識してくださいね。
自宅ヨガのメリットは「気軽さ」と「快適さ」が大きなポイントです。ご自分のライフスタイルに合わせて、ぜひ取り入れてみてください。

好きなときにできる自由さ
朝の目覚めや寝る前など、自分の好きなタイミングで取り組めるのが自宅ヨガの大きな魅力。短時間、長時間でも自分の都合に合わせられるのが良い点です。
それに外出する必要もないので、天気や気温に左右されずにできます。
人の目が気にならない安心感
スタジオのインストラクターや他人の視線が気になって集中できない方には、自宅ヨガがおすすめです。自宅なら、ご自分もしくは気の知れた周りの人たちしかいないため、リラックスしてポーズに集中できるでしょう。
レッスンの自由な選択
極端な例ですが、練習しづらい動画は途中で止めて、選び直すことが可能です。ご自分の目的や気分に合わせて動画を選んでみてください。
自分のペースでコツコツ進められる
苦手なポーズや苦手な動きを練習したり、動画を巻き戻して確認したりと、ご自分に合わせたステップで取り組めます。
家族やペットと一緒にできる
家族と一緒に決まった時間にヨガをすることもできます。また、ペットがそばにいても気にせず続けられるのも自宅ならではの利点です。
自由度が高いため欠点ももちろん存在します。代表的なデメリットと、筆者が解決してきた方法をご紹介します。

そもそも、ヨガをしたくてもスペースがないという方は多いと思います。一人暮らしの部屋だとなおさらです。
そんなときは、布団の上でできるヨガ、椅子ヨガ、壁を使ったヨガを取り入れてみるといいでしょう。
例えば、睡眠の質を上げるために、寝る前に布団の上で、座位やあおむけでできるリラックスヨガをする。椅子や壁を使って立位のポーズや柔軟性を上げる練習をする。これらはスペースがなくてもできます。
また、椅子や壁を使う練習方法は、股関節やひざの関節の負荷を軽減し、バランスポーズを補助する役目も果たします。支えが必要な方にも有効です。
キャスター付きの椅子を使う場合は、以下のような工夫で固定しましょう。
- 背面を壁につけて固定する
- ラグやじゅうたんの上でおこなう
- 椅子の周りにクッションを置く
- 自分の脚力で、椅子の動きを止める(脚力強化の練習)
自由すぎて続かないと感じる場合は、生活リズムの中に組み込む工夫が効果的です。日常の行動とセットで「ヨガタイム」を作ってみてはいかがでしょうか。
下記のように、行動に伴ってできるヨガがあります。
- 寝る前の20分にリラックス系ヨガをする
- 朝食前の10分~15分に太陽礼拝や目覚め用のヨガプログラムをおこなう
- 週末や休みの日に決まった時間にする(好きなプログラムを30分~1時間)
騒音や生活音が気になることはあるでしょう。特に夕方などの時間帯は、窓からよい香りが舞い込んでこることもあります。
騒音対策としては、ワイヤレスイヤホンをして練習するのがおすすめです。BGM付き動画を活用するなど、ご自分の世界に入りやすくする工夫しましょう。夜ヨガなど、静かに集中したい場合は、説明が少なめの誘導動画がおすすめです。
におい対策としては、気になる時間帯を避けたり、部屋にアロマをたくなどの対策をしておくとよいです。
自宅ヨガの大きなデミリットは、自分のポーズがどうなっているかわからない点です。誰もアドバイスしてくれないため、モヤモヤしがちです。
そこでおすすめなのは、スマホで自分自身を撮影すること。広角レンズを搭載したスマートフォンであれば、狭いスペースでも全身が映せます。スタンドなどを使って、ご自分のヨガの練習を撮影してチェックしてみましょう。
自分の動かしかたのクセもわかるためおすすめです。また、基本的な姿勢などは姿見でも確認できます。
ヨガも根を詰めすぎると疲れてしまうことがあります。しない日が続いても大丈夫。一度、ヨガ後の爽快感を味わうと、少しヨガから離れていても、またしたくなる気持ちが湧いてきます。
気分を変えて、ストレッチ、筋トレやバレトンなど、別ジャンルに切り替えるのもいいでしょう。
むしろ、ヨガの上達を考えているなら、筋トレやバレトン、ピラティスはおすすめです。ヨガに必要な筋肉を育ててくれるからです。
ヨガ動画を選ぶときは、自分の目的を明確にしてから探すと失敗しにくくなります。一度気に入ったものを見つけたら、保存して自分だけのリストを作っておくと便利です。
YouTubeなら、保存マークを押したら、マイページの再生リストから保存した動画が再生しやすく設定できます。
また、ヨガレッスンを選ぶとき、以下のことを参考にしてください。

目的別の動画選び
- リラックスしたい
呼吸が整いやすく、ポーズ数が少ないやさしい動画 - 動きたい・運動不足を解消したい
太陽礼拝やパワーヨガ、フローヨガなど - 集中したい
説明が少なく、誘導の声が静かな動画、呼吸の練習があるプログラムなど - ポーズをしっかり覚えたい
ポーズを正面や横からしっかり見せてくれる動画
選ぶときのポイント
- 時間
15〜30分の短めの動画から始めると、挫折もしにくくなります。じっくりしたい人は長めのものを選んでください。 - 説明のわかりやすさ
動きのタイミングやポイントが端的であるかが重要です。インストラクターの声の聞き取りやすさもチェックしましょう。 - カメラアングル
体の向きが見やすく、左右や角度が混乱しにくい構図の動画を選びましょう。 - 4. レッスンのテンポと相性
先生の話し方や間の取り方、呼吸のテンポには個性があります。ご自分の呼吸や動きに合うかどうかも重要です。少し合わないなと思ったら、動画を選び直すことも大切です。
ヨガをしているときは、呼吸に合わせて体を動かすのが基本です。動きに呼吸を合わせるのではなく、呼吸の流れに動きを乗せるイメージでしましょう。

呼吸に合わせて動くことで、体の緊張が和らぎ、筋肉が伸びやすくなり、力も入れやすくなります。
はじめのうちは、呼吸と体の動きがずれて、ポーズがとりづらくなることがあります。まずは、呼吸をしつづけることを優先してください。
ポーズの手順を覚えたら、吸うタイミング、吐くタイミングを意識して練習していきましょう。
ヨガの経験が浅い方ほど、吸うことに意識しすぎてつらくなったり、ポーズに集中するあまり、息を止めてしまいがちです。
まずは、とりあえず吐くことを意識してみてください。吐くと自動的に吸う動きに入っていくはずです。
動きと呼吸の基本パターン
- 吸うとき → 背筋を引き上げる、胸を広げる、体を反らす
- 吐くとき → 力を抜く、沈む動き、体を伸ばす
この原則を知っておくだけでも、そのタイミングで呼吸がしやすくなります。
動画と自分の動きがずれてしまっても問題はありません。自分の呼吸を優先してください。「正しい呼吸」を目指すよりも、「止めないこと」を意識しましょう。
鼻呼吸がつらいときは、口から吐いても大丈夫です。
ヨガをしているときの呼吸については、こちらで詳しく解説しています。

呼吸に意識が向きにくい人は、準備運動をするとき、呼吸に合わせて体を動かす練習をしておきましょう。
初心者でも取り組みやすい2つの運動を紹介します。吸って吐いてを繰り返しおこない、体の末端を動かし温めていきます。
足首ほぐし
呼吸に合わせて足先を外側、内側にたおします。
慣れてきたら、息を吐きながら足首を外側にまわし、息を吸いながら足首を内側にまわしましょう。

肩まわし
両手で両肩におき、呼吸に合わせて肩をまわします。ゆっくり大きな円を描くように動かしましょう
どちらも自分の呼吸に合わせて動かしやすく、多少ずれても気になりません。スペースがないところでも可能です。


自宅ヨガは、スペースも道具も最小限で始められ、生活の中に気軽に取り入れられるセルフケアの一つです。
自分のペースで、無理がなく、少しずつ継続することで、体と心の変化を感じられるようになります。
動画を選ぶときは、ご自分の目的や好みに合ったものを選んでくださいね。
ポーズも、完成度より呼吸を止めずに、ご自分と向き合うことを重視してください。
続けるうちに、「今日は体が軽い」「集中できた」「呼吸が深くなった」と、気づく瞬間が必ず訪れます。これがヨガの爽快感につながるポイントです。できることから、自宅ヨガを始めてみませんか。