
アシュタンガヨガの土台となる太陽礼拝。スムーズに動けるようになると、ヴィンヤサ(呼吸と動きの連動)やバンダ(締め付け)といったアシュタンガ特有の手法が身につくように練習を深めていきます。
しかし、間違った体の使い方はけがのもと。せっかくの練習で肩や腰を痛めてしまっては、もったいないですよね。
本記事では、独学で陥りやすい動きを防ぎ、安全にポーズを深めるコツをイラスト図解でまとめました。けがのリスクを減らし、自信を持ってマットに立てるようになりたい方は、参考にしてみてください。

アシュタンガヨガの「プライマリーシリーズ」の冒頭にでてくるシークエンスです。
ハタヨガの動きに似ていて、呼吸と連動して体を動かすことを覚えていきます。体が慣れていないときは、大きな呼吸にあわせて体を動かすのがポイント。体を前後に移動するジャンプは無理をせず、足を一歩ずつ前後に踏み出しながらおこないましょう。
ポーズの途中で出てくるアッパードック(上向きの犬のポーズ)をしたくない人は、代わりにコブラのポーズでもOK。腕の力や胸を開く動作ができるようになったら、ポーズを徐々に発展してくださいね。
山のポーズ(ターダアーサナ、サマスティティヒ)

山のポーズでは両手は体側の横におきます。
1呼吸で整えてから、次のポーズに移ります。
両手を上に伸ばすポーズ(ウールドヴァ ハスターサナ)

息を吸いながら、ポーズをとります。
胸を軽く開いて、体を軽く反らせましょう。
強く前屈するポーズ(ウッターナーサナ)

息を吐きながら、ポーズをとります。
山のポーズの姿勢を保ちながら、上体をたおします。
ひざを曲げて前屈をしてもかまいません。目線は鼻の先に合わせます。
半分の前屈のポーズ・1回目 (アルダ ウッターナーサナ)

息を吸いながら、ポーズをとります。
なるべく、手の位置は変えずにおこないます。
両手は指先だけ床につけるか、ふくらはぎにおくようにします。
背筋を軽く前に伸ばしましょう。顔を少し起こし、50cm前を見るようにします。
アシュタンガヨガで肩を痛めやすい原因の一つに、体の重さが肩や腕だけに集中してしまうことがあります。
次のような状態になっていると、肩や首に負担がかかりやすくなるので、無理をしないようにしてください。
- POSE5・四肢で支える杖のポーズ(チャトランガ・ダンダーサナ)
・肩の位置がひじより下に落ちている
・ひじが外に向いて開いている - POSE6・上向きの犬のポーズ(ウールドヴァ ムカ シュヴァーナーサナ)、コブラのポーズ(ブジャンガ アーサナ)
・肩と耳の距離が近く、肩がすくんでいる
・手首の位置が肩の真下から大きくずれている - POSE7・下向きの犬のポーズ(アド ムカ シュヴァーナーサナ)
・ポーズへ移行するときに、腕の力だけで上体を押し上げようとしている
これから、解説するポーズ5~7は、肩が胸より出ないよう、胸の縮こまりに気をつけます。それには、手の位置は変えず、下腹部は軽く力を入れておきましょう。
力が足りないと感じる日は、ジャンプして足を移動せずに一歩ずつ動いたり、四肢で支えるポーズはひざをついておこなっても構いません。

息を吐きながら、ポーズをとります。
ジャンプしながら両足を後ろに出し、足先を立てます。
このとき、手の位置は固定したままおこないます。
肩とひじが一直線上にあることを確認します。
胸が肩より前にくるように注意しましょう。
(このポーズの場合は、胸が肩より下にきます)
右足から、一歩ずつ後ろに引いてポーズをとってもかまいません。
足幅は骨盤と同じか、すこし開きます。顔は床に向けて、鼻先を見るようにしましょう。

息を吸いながら、ポーズをとります。
足指で床を押す力を利用して、上体を前にスライドさせましょう。
背中の反りすぎないように、顔の上げすぎに気を付けます。
体とひざが床につかないように、 お尻は引っ込めて、下腹部と太ももで体を持ち上げます。

息を吐きながら、ポーズをとります。
両手のひら全体で床を押して、首がつまらないように肩を軽く引き上げます。
目線は両足の間におき、5呼吸しながらポーズをキープ。呼吸を整えます。

息を吸いながら、ポーズをとります。
ジャンプで両足や体を前に移動させます。
両手で床を押して、胸を開きながら上体を起こしましょう。
ジャンプで移動をしない人は、右足から、一歩ずつ両手の間に踏み出し前屈の姿勢に戻ります。
目線は斜め前に向けましょう。
息を吐きながら、再度、深く前屈します。
おなかと太ももをつけたままおこないましょう。
息を吸いながらポーズをとります。
手は横から上げて頭上で合掌します。顔を上げて、目線は斜め上にします。
息を吐きながらポーズをとります。
両手を横から下げ体側におきます。下腹部とお尻をキュッと軽く締めて、腰はリラックス。
顔と目線は正面に向けましょう。
(繰り返しおこなう場合は、両手を上に伸ばすポーズへ移ります)

太陽礼拝Bは、Aを発展させたシークエンスです。Aを終えたあとに続けて行います。両手を上に伸ばすポーズの代わりに椅子のポーズを、ダウンドッグのあとに戦士のポーズ1番が入ります。
また、英雄のポーズ1の前後に、ヴィンヤサと呼ばれる一連のつなぎのポーズをします。太陽礼拝Bの場合、「四肢で支える杖のポーズ→上向きの犬のポーズ→下向きの犬のポーズ」がつなぎのポーズになります。
山のポーズ

Aと同じようにヨガマットの端に立ってポーズをとります。
椅子のポーズ(ウトゥカタアーサナ)

息を吸いながら、ポーズをとります。
できる人はさらに顔を上げて、目線を合掌した手に向けましょう。
強い前屈のポーズ

息を吐きながら、ポーズをとります。
両手を横から下げて足の外側におきます。
お尻を上に持ち上げて、深く前屈をしましょう。
チャトランガ ダンダーサナ ~ ダウンドッグ(ヴィンヤサ・1回目)

太陽礼拝BのPOSE4〜7は、太陽礼拝Aと同じ流れです。
(チャトランガ→アッパードッグ→ダウンドッグ)
息を吸いながら、半分の前屈のポーズを、息を吐きながらチャトランガ ダンダーサナをします。
続けて、吸う息に合わせて上向きの犬のポーズ(アッパードッグ)、吐く息に合わせて、下向きの犬のポーズ(ダウンドッグ)をしましょう。
チャトランガ ダンダーサナをするときにジャンプしないときは、片足ずつ大きく一歩後ろにひきます。
この部分をヴィンヤサと呼び、太陽礼拝Bでは3回おこないます。
英雄のポーズ1(ヴィーラバッドゥラーサナ 1)※1回目・右足が前

息を吸いながら、ポーズをとります。
右足を前に踏み出し、右ひざは曲げておこないます。
腹筋を使って、上体を持ち上げましょう。両手を横から上げて、頭上で合掌します。
できる人は、顔をさらに上げて合掌した手を見ます。

息を吐きながら、ポーズをとります。
右足を後ろに引いて、両足指を立てておこないます。
顔は床に向けて、鼻先を見ましょう。
体幹をと太ももを軽く締め、床につかないように気をつけます。
続けて、吸いながら上向きのポーズ(アッパードッグ)、
吐きながら下向きの犬のポーズ(ダウンドッグ)をします。



息を吸いながら、ポーズをとります。
左足を前に踏み出し、左ひざを曲げます。
腹筋で上体を持ち上げましょう。できる人は合掌した手を見ます。

息を吐きながら、ポーズをとります。
左足を後ろへ出します。
腹筋を使って上体を安定させながら、ポーズをとりましょう。
ここで3回目のヴィンヤサが入ります。
吸う息にあわせて上向きの犬のポーズ、吐く息にあわせて下向きの犬のポーズ(ダウンドッグ)をします。
3回目のダウンドッグのときは、長めにキープして呼吸を整えます。(5呼吸間ポーズをとります。)
息を吸いながら、半分の前屈のポーズをとり、吐く息に合わせて強い前屈のポーズをします。
息を吸いながら、両手を上に伸ばすポーズをとり、息を吐きながら、山のポーズへ戻ります。
(繰り返すときは、続けて椅子のポーズに入ります)
アシュタンガヨガは肩回りをよく動かします。肩と胸の位置、腕や肩、肩甲骨や使いかたで痛めることもあります。胸が縮こまないように注意して練習してくださいね。
図解で理解できる部分も多いですが、不安が強い場合は、対面での指導を受けるほうが安全なこともあります。
アシュタンガヨガは、上達へのプロセスが緻密に計算されているところが魅力的です。自分の集中力を高めたり、筋力、体力をつけたい人はチャレンジしてみてください。
アシュタンガヨガに限らず、太陽礼拝は繰り返して練習します。慣れてくると、フォームよりも回数が優先されがちになります。肩を痛めないためにも、正しい位置でポーズが取れているかを常に確認しましょう。
もし、体に痛みや違和感を覚えた場合は、練習をいったん中止してください。ご自身の体のサインを受け入れながら、マイペースに続けていきましょう。
※練習の際は、ご自身の身体のサインを大切にしてください。免責事項および参照文献については、こちらの当サイト概要ページをご確認ください。


